昨年の2023年10月24日に、新横浜で行われた構造塾・個人コンサル会員のカンファレンスに参加。
その時に、東京大学の前研究室と構造塾、YKKapによる「産学連携」の話があり、非常に興味深かった。
簡単に説明すると、工務店への設計支援が主な内容。
具体的には東大生たちが、シミュレーション(以下、SIM)ソフトを用いて、日射や空調のSIMを行い、工務店のモデルハウスを建築を支援すること。建築後は実測をし、SIM通りの内容かどうか、SIM通りいかなかった因を調査。これからの建築において重要となるであろう内容だった。
その発展形である、前研究室のオープンスクールへの参加のお誘いを受けた。
2月20日はその概要説明が東大で行われ、私は遠方からZOOMで参加した。その内容についてまとめる。
「健康、快適で電気代も安心な真の脱炭素住宅」の普及目標
前研究室の研究テーマは「自然エネルギー」、具体的には太陽エネルギーに焦点をあてている。
前先生は「健康、快適で電気代も安心な真の脱炭素住宅」の普及を目標にしている。
実験、実測、SIMを組み合わせて、室内環境を快適に。温熱はもちろん空気や光(照度)SIMを行う。学生たちはこれらを研究、実践を取り組みたいということで、構造塾やYKKapと協力して設計支援、実際に建てるモデルハウスの設計・計測の手伝いをやってきた。
しかし、この設計支援は前先生が目指す真の脱炭素住宅の普及には至っていないと。
それは、設計者が提案したプランに対して、学生がSIMソフトをまわして改善計画をする。学生たちの負担が大きく、設計者のSIMスキルが向上しない。設計者にSIMスキルを学ぶ機会がなかったことが問題だった。
そこで、2024年はオープンスクールを開講するとのことで、環境塾の中から数名が選抜された。
その名も『環境塾』
オープンスクールの目的は「プラン・構造・環境を3次元で一手で扱える設計者を育成」すること。
具体的な内容は、これからメンバーで決定していくため(受動的でなく能動的に。『環境塾』という名称もこの場で決まった)ざっくりとした内容は以下の通り。
●栃木県のラファエル設計の神長さんを講師に、Qpexやアーキトレンド等のソフトの実務での活用方法について
●アーキトレンドやその他SIMソフトの使い方学習
●YKKapの専門家による開口部の詳細に関する情報提供
●新建新聞社(アーキテクトビルダー)による断熱・空調などのトレンド、情報提供
その他、学生向けのスタジオ課題に参加可能で、Rhino/グラスホッパー+クライメイトスタジオ+Flow Designerのツールを使用し、照度SIMも学ぶこともできる。
今後、スタジオ課題についてもブログにまとめていきたいと思う。
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