現場からのレポートです。
今回の物件は敷地に高低差があるため、「深基礎」施工です。
基礎工事って、見た目は地味ですが実は家の寿命を左右する一番大事な工程。
今日はその中でも「掘り方」「捨てコン」「防湿シート」について少しご紹介します。
■ 掘り方:ただ掘るだけじゃない、家の精度を決める作業
まず最初は「掘り方」。
家を支える基礎をつくるために、地面を必要な深さまで掘ります。
この掘り方が正確じゃないと、基礎の高さがズレたり、地盤が不安定になったり。
深すぎれば土を戻す「床付け」作業が発生して強度が落ちるし、浅ければ基礎が浮く。
現場ではレーザーを使って高さを管理しています。
今回の現場は「深基礎」なので、場所によって掘る深さが違います。
高低差のある地盤に合わせて、深い部分と浅い部分を正確に掘り分けるのがポイント。
まさに職人技です。
■ 捨てコン:名前は“捨てる”けど、重要
掘り方が終わったら、「捨てコン(捨てコンクリート)」を打ちます。
名前だけ聞くと“捨てるコンクリート?”って感じですが、実はとても重要。
これは、基礎の位置を正確に出すための作業面をつくるために打つコンクリートです。
地面のままだと凸凹していて、型枠や鉄筋を正確に配置できません。
そこで薄くコンクリートを打って、基準となる平らな面を整えます。
きれいに打たれた捨てコンを見ると、「この現場、丁寧にやってるな」と分かります。
■ 防湿シート:湿気を家に上げないためのバリア
捨てコンの上には「防湿シート」を敷きます。
これは、地面から上がってくる湿気を遮断するためのシートです。
家の中の湿気は意外とこの“地面側”からも上がってきます。
そのままにしておくと、床下の湿度が高くなり、カビや構造材の劣化の原因に。
防湿シートは見えなくなる部分ですが、家の快適性と耐久性を守る大切な役割を持っています。
職人さんが大きなシートを丁寧に敷き、重ね部分をテープで留めていく姿はまさに職人芸。
ピシッと張られた防湿シートは、現場が“締まる”瞬間でもあります。
■ 深基礎ならではのポイント
今回のような「深基礎」の場合、深さが違う部分ごとに掘り方も防湿処理も変わります。
普通の基礎より施工手間はかかりますが、その分構造的な安定感は抜群。
高低差のある土地でも、しっかり地盤に密着させることで家を安全に支えます。
■ まとめ:見えないところが“いい家”をつくる
掘り方 → 正確に高さを出すため。
捨てコン → その上に基礎を正しく施工するため。
防湿シート → 湿気を防ぎ、寿命を延ばすため。
どれも“地味”な工程ですが、この一手間が家の強さと快適さを決めるんです。
現場を見ていると、ほんの数センチ・数ミリの差を大切にしている職人さんの姿勢に、
「ああ、家ってこうやって守られてるんだな」と感じます。
