先日、evoltz(エヴォルツ)の振動台実験に参加してきました。
RAYm’sでは以前からevoltzを採用しているため、
制振装置の仕組みや効果については理解しているつもりでした。
それでも実際の実験を見ることで、
「やはり大切なのはここだな」と改めて感じる部分がありました。
今回は、専門的な話をできるだけ省きながら、その内容を分かりやすくお伝えしたいと思います。

地震で大切なのは「倒れないこと」だけではない
耐震性能の話になると、「耐震等級3だから安心ですよね?」という質問をいただくことがあります。
もちろん耐震等級3は非常に重要です。
しかし実際の家づくりでは、倒壊しないことだけがゴールではありません。
なぜなら、地震で大きく揺れた建物は、見えない部分で少しずつ傷んでいくからです。
木造住宅は揺れると少しずつダメージが蓄積する
木造住宅は、地震のエネルギーを受け流すために少し変形します。
これは悪いことではありません。
問題は、その変形によって
・壁の内部
・石膏ボード
・サッシまわり
・接合部分
などにダメージが蓄積していくことです。
人間で言えば、一度だけ全力疾走するのではなく、
何度も全力疾走を繰り返して疲労が蓄積するイメージです。

熊本地震が教えてくれたこと
熊本地震では、大きな地震が一度だけではありませんでした。
前震(マグニチュード6.5、最大震度7)があり、
その後に本震(マグニチュード7.3、最大震度7)が発生し、
さらに余震も続きました。
つまり、最初の揺れで傷んだ建物が、さらに大きな揺れを受ける状況になったのです。
これは住宅を考えるうえで非常に重要なポイントです。

上記のデータは、熊本地震が起きた2016年と、2年後の2018年の調査データです。
震災直後(2016年)は、倒壊・崩壊・大破した物件は6%。その2年後の2018年は、更地・建て替えしている物件は18%まで増えています。ダメージの蓄積が原因で建て替えている物件もたくさんありそうです。
制振装置の本当の役割
制振装置というと、「地震に強くする装置」と思われることがあります。
もちろん間違いではありません。
しかし今回の実験を見て改めて感じたのは、
制振装置の本当の役割は、建物を傷みにくくすること。という点でした。
イメージとしては、車のサスペンションに近いかもしれません。
サスペンションがあることで、段差の衝撃を吸収できます。
制振装置も同じように、建物の揺れを和らげる役割があります。
耐震と制振は別物
ここは誤解されやすい部分です。
耐震は、建物そのものを強くする考え方。
制振は、建物に伝わる揺れを減らす考え方。
です。

どちらが良い悪いではなく、役割が違います。
耐震等級3を取得することは大前提。
そのうえで、揺れそのものを減らし、地震後のダメージを抑える。
それが制振装置の役割です。
「制振」をするから、「耐震」はしなくていい。ということではありません。

実験を見て改めて感じたこと
今回の実験を通じて改めて感じたのは、
家づくりは「地震で倒れなければ終わり」ではないということです。
地震後も、安心して住み続けられること。
そのために、建物のダメージをできるだけ抑えること。
ここに大きな価値があると感じました。
まとめ
RAYm’sでは以前からevoltzをおすすめしています。
今回の振動台実験で新しい発見があったというよりも、
これまで大切だと思っていた考え方を再確認する機会になりました。
耐震等級3を取得すること。
そして、
建物の変形を抑え、
地震後の性能低下をできるだけ防ぐこと。
どちらも大切です。
家づくりでは、「どれだけ強いか」だけではなく、
「地震のあとも性能を維持できるか」という視点も考えていきたいと思います。
