真夏でも買電量172.2kWh。5.22kWの太陽光で745.9kWh発電
高性能住宅は、実際の暮らしでどれくらい電気を使うのか。
川西の家では、設計時の計算だけで終わらせず、完成後も発電量・買電量・室内環境などの実測データを継続して確認しています。
今回は、2026年8月の電気使用量と太陽光発電の実績をまとめました。
8月は一年の中でも冷房負荷が大きくなる時期です。
それでも、5.22kWの太陽光発電システムで745.9kWhを発電し、買電量は172.2kWh。
7月に続き、真夏でも少ない買電量で暮らせている結果となりました。
2026年8月の実績
| 項目 | 実績 |
|---|---|
| 発電量 | 745.9kWh |
| 売電量 | 523.6kWh |
| 自家消費量 | 222.3kWh |
| 買電量 | 172.2kWh |
※自家消費量=発電量−売電量
発電した745.9kWhのうち、222.3kWhを住宅内で使用し、523.6kWhを売電しました。
自家消費率は29.8%、売電率は70.2%です。
1日平均で見ると
| 項目 | 1日平均 |
|---|---|
| 発電量 | 約24.1kWh/日 |
| 売電量 | 約16.9kWh/日 |
| 買電量 | 約5.6kWh/日 |
| 自家消費量 | 約7.2kWh/日 |
注目したいのは、やはり買電量です。
冷房を使い続ける8月でも、電力会社から購入した電気は1日平均約5.6kWhでした。
太陽光で発電できることだけでなく、住宅そのものが必要とするエネルギーを抑えられているかを見るうえで、買電量は大切な指標の一つだと考えています。
7月と8月を比較してみる
7月と8月の結果を比較すると、真夏の住宅のエネルギー消費がより分かりやすくなります。
| 項目 | 7月 | 8月 |
|---|---|---|
| 発電量 | 746.5kWh | 745.9kWh |
| 売電量 | 516.9kWh | 523.6kWh |
| 自家消費量 | 229.6kWh | 222.3kWh |
| 買電量 | 164.0kWh | 172.2kWh |
発電量は、
746.5kWh → 745.9kWh
と、ほぼ同じでした。
一方、買電量は、
164.0kWh → 172.2kWh
と8.2kWh増えています。
8月は真夏の冷房負荷が続く時期ですが、それでも増加量は月8.2kWh、1日平均にすると約0.3kWh程度です。
7月・8月ともに安定して少ない買電量で推移していることが分かります。
8月も安定した太陽光発電
2026年8月の太陽光発電量は745.9kWhでした。
7月の746.5kWhとほぼ同水準で、夏を通して安定した発電量を維持しています。
8月5日・6日・14日・25日などは30kWh前後の発電を記録。
一方、12日や27〜29日には天候の影響を受け、発電量が低下しました。
日ごとの発電量には天候による変動がありますが、月間では523.6kWhを売電し、発電量の約7割が余剰電力となっています。
光熱費に換算すると
前回と同じく、
買電単価:31円/kWh
売電単価:15円/kWh
として試算します。
自家消費した222.3kWhは、本来であれば電力会社から購入する必要があった電気です。
そのため、
222.3kWh × 31円=約6,891円
の電気代削減効果となります。
売電収入は、
523.6kWh × 15円=約7,854円
買電料金は、
172.2kWh × 31円=約5,338円
です。
| 項目 | 金額換算 |
|---|---|
| 自家消費による電気代削減 | 約6,891円 |
| 売電収入 | 約7,854円 |
| 買電料金 | 約5,338円 |
| 売電-買電 | 約2,516円プラス |
つまり、冷房使用が多くなる真夏の8月でも、売電収入が買電料金を約2,500円上回る結果となりました。
※実際の電気料金には基本料金、燃料費調整額、再エネ賦課金などが含まれるため、上記は電力量単価による試算です。
「たくさん発電する」だけではない
太陽光発電の実績を見ると、どうしても745.9kWhという「発電量」に目が向きます。
しかし、川西の家で継続して見ているのは買電量です。
8月は真夏ですから、当然エアコンを使用します。
それでも買電量は172.2kWh、1日平均約5.6kWh。
これは、太陽光発電だけによるものではありません。
高断熱・高気密化によって熱負荷を抑え、その住宅に必要な冷房能力を計算し、空気の流れまで考えて空調を計画する。
そして、日中に太陽光で発電した電気を住宅内で利用する。
「たくさん発電する家」を目指すだけではなく、
「そもそも使うエネルギーが少ない家」をつくった上で、太陽光発電を組み合わせる。
この順番が重要だと考えています。
7月には真夏の室内環境も実測
前回の記事では、実際の空調性能についても測定しました。
外気が37.3℃・相対湿度50%という厳しい条件でも、室内各所は24.2〜26.2℃程度。
家全体の平均は、室温約25.3℃・相対湿度約56%という結果でした。
川西の家で採用している換気方式は、熱交換型の第一種換気ではなく第三種換気です。
設備を複雑にするのではなく、断熱・気密・日射遮蔽・換気・空調を一体で考える。
その結果として、第三種換気でも真夏に安定した温湿度環境を維持できることを、実測によって確認しています。

計算して終わりではなく、実測して次の設計へ
RAYm’sでは、UA値やC値などの性能数値だけで住宅を評価するのではなく、完成後の実際の暮らしを測ることを大切にしています。
設計時に熱負荷を計算し、空調を計画する。
完成後には、電気使用量や発電量、室温・湿度などを実測する。
そして、
「設計時に考えたことが、実際の暮らしでどうなったのか」
を確認する。
良かった部分も、改善できる部分も次の設計へフィードバックしていく。
これを繰り返すことで、計算上の高性能住宅ではなく、実際に少ないエネルギーで快適に暮らせる住宅へ近づけていけると考えています。
まとめ|真夏でも少ないエネルギーで快適に暮らす
川西の家の2026年8月は、
- 発電量:745.9kWh
- 売電量:523.6kWh
- 自家消費量:222.3kWh
- 買電量:172.2kWh
- 1日平均買電量:約5.6kWh
- 自家消費率:29.8%
- 売電率:70.2%
- 売電-買電:約2,516円のプラス
という結果となりました。
7月とほぼ同じ発電量を維持しながら、真夏の8月でも買電量は月172.2kWhに抑えられています。
高性能住宅で大切なのは、単に断熱性能を高めることでも、太陽光をたくさん載せることでもありません。
断熱・気密・日射遮蔽・熱負荷計算・空調計画・太陽光発電を一体で考え、少ないエネルギーで快適に暮らせる住宅をつくること。
RAYm’sでは今後も川西の家の実測データを継続して公開し、「設計した性能が、実際の暮らしでどう現れるのか」を検証していきます。
